2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

隠された風景―死の現場を歩く

重いテーマである。 読み終わったあと、泣きたい気持ちになる本である。 でも多くの中高校生に読んでもらいたいと思った。捨てられたペットの処分場、食肉加工処理場、そして自殺者の遺書。いずれも現在の日本人の目からは逃避させられているダークサイドで…

国防

10代半ばの頃、公民の授業で憲法9条を暗誦させられ、その一語一句たりとも変えられてはならないものだと、まだ発展途上の脳みそに植え込まれた私は、憲法改正について論じることさえどこかでタブー視してきた気がする。 アメリカとソビエトという2大国の間の…

直立歩行―進化への鍵

人類の進化については、新しい化石の発見のたびに新しい論争が起こり様々な説が早いサイクルで出てきているという。 本書ではこの分野での論争の歴史や、今論議されている仮説などが詳しくわかりやすく書かれている。 私が中学の頃に習った猿人や原人の名前…

大河の一滴

去年大病を患ったうちの義母へ、ある方が薦めてくれた本。しまい込んであったのをたまたま発見したので読んでみた。著者は、人は皆生まれながらに死のキャリアであるという。この世はもともと無茶苦茶で残酷で、悲惨にみちみちていると理解したから生きられ…

閉じられた海図

水野忠邦の天保の改革の少し前、岩見国浜田(現在の島根県浜田市)で海運業を営む会津屋八右衛門という男が、鎖国の禁制を犯して南の海へ航海し貿易を行っていた。その動機は私利私欲ではなく、藩主松平康任の猟官運動が原因だった。 わずか六万石の小藩の藩主…