直立歩行―進化への鍵

人類の進化については、新しい化石の発見のたびに新しい論争が起こり様々な説が早いサイクルで出てきているという。
本書ではこの分野での論争の歴史や、今論議されている仮説などが詳しくわかりやすく書かれている。
私が中学の頃に習った猿人や原人の名前とその進化の順序も、今では天動説並に古いものになっているらしい。
その頃の教科書には、4本足で歩く猿から徐々に立ち上がり衣服を身にまとい知的な顔をした現生人類までのイラストが載っていた。それは現生人類が究極の完成形であり、それを目指して一直線に進化してきた印象があった。でも実はそういう直線的なものではなく、それぞれの種がその時の環境に適応させていった結果として、その時点ではそれが完成形であるという。
つまり環境次第ではさらに人類は進化せざるを得ないわけだ。もしくはより適応力のある種にとって代わられる可能性もある。
(実際、我々ホモサピエンスは同時期に存在していた別の種の初期人類を駆逐して君臨したという説もあるらしい)
高い知能を得ることができたヒトの進化の過程は、動物界において特殊なものではない。食料を効率よく得るため、繁殖をしやすくするために我々の祖先がほんの少しづつチャレンジしてきたことが積み重なってできたこと。他の動植物の進化と同じように偶然の産物なのだ。


この先、人類がどういう風に進化していくんだろうか。
やっぱりブロッケン伯爵型のリムーバブル脳しかないね。(ん)