京都行ってきました その1

家族5人で京都に行ってきました。
抗がん剤の影響か最近めっきり義母の体力が落ちていたので、予定通りに行動できるか不安がありましたが、平等院が見たいという義母の願いを叶えるべく強行に至ったわけです。
私は三度目の京都。99年と00年に会議に出席する夫にくっついて行ったのですが、セカンドバッグを抱えたJCマンがあちこちで名刺交換をしているという1月の京都の光景がデフォではないことを確認できたことは、今回の旅の収穫のひとつでありました。

平等院

5月21日(金)
夫と義母と私の3人は先発隊として朝8時台の新幹線で出発。なるべく大学を休みたくない娘は授業が終わり次第出発、飲み会がある息子は新宿のカプセルホテルで1泊したあと土曜日の朝に出発、それぞれ京都で合流することにしました。
新幹線を乗り継ぎ京都に到着したのがお昼前。のぞみの車内で駅弁を買うタイミングを逸し空腹だったけど、とりあえず宇治に向かうことにしました。
JR宇治駅から表門まではタクシーで。初乗り料金640円。ドライバーさんには申し訳ないけど、とても義母が歩ける距離じゃないので・・・。
表門の前にあるうどん屋(?)で腹ごしらえしたあと義母念願の平等院へ。


院内は全て車椅子で移動可。
受付でレンタルしたい旨を伝えると、屋外用のバギー車みたいな超かっちょいい車椅子が登場しました。なるほど、これなら砂利道でもスムーズに動かせるんですね。
※画像撮るの忘れたんで検索してくださいまし。
鳳凰堂内はがんばって歩いてもらいましたが、正座して説明を聞くところでは椅子を用意してくれました。義母は阿弥陀如来様の真正面のベストポジションからゆったりと拝観することができたようです。
で、その阿弥陀如来坐像。周囲の壁で乱舞する雲中供養菩薩と共に目に飛び込むなり私思わず「ぅわっ」と叫んでしまいました。
こんな圧倒的な仏像をしょっぱなから見たら、このあと見るものにも感動できるのか?ってくらい圧倒されました。
建立当時、末法思想を信じていた貴族たちは各地に大寺院を建築していたらしいです。より大きく、より華麗な仏像であればあるほどご利益が大きいと思っていたんでしょうな。
今だったら真っ先に仕分対象にされちゃいますね。


観無量寿経には衆生の性格によって往生のレベルが9段階あると書かれているそうです。
上品・中品・下品の3つの段階の中に、上生・中生・下生とさらに細分化されていて、つまり上品上生(じょうぼんじょうしょう)が最高ランク、下品下生(げぼんげしょう)が最低ランクってわけです。
鳳凰堂の壁にはその9つの往生図が描かれています。残念なことに剥落が激しくてよく見ても何が描いてあるのかわかりませんが。
※一部の壁画はミュージアムに展示されてて、その代わり模写復元されたものが取り付けられてありました。
上品上生の往生時には観世音菩薩、大勢至菩薩、その他夥しい仏や修行僧を従えた阿弥陀様が迎えに来るんだそうです。
これが下品下生だと蓮の台座のみの迎えになるということですけど、南無阿弥陀仏を唱えれば罪が除かれて往生できるんですって。
はぁー、よかった。(o゚∀゚o)


義母にはまたバギーに乗ってもらい、池の向こう側から10円玉でおなじみの鳳凰堂の姿を見ることに。

平等院鳳凰堂


阿弥陀堂の格子扉の一部が空いていて、真正面から見ると如来様の顔がそこから見えるはずなんですが、東に向かっているので午後は逆光で見えません。
夕方はお堂の背後から夕焼けのシルエットとなって、これがまたキレイなんだそうです。


鳳凰堂の南側にある平等院ミュージアム鳳翔館では、阿弥陀堂の壁からはずした一部の雲中供養菩薩を間近に見られたり、CGを使って創建当時の阿弥陀堂の様子が見られます。
屋根の上にある鳳凰は今は複製ですが、元々あったものはこのミュージアムに展示してありました。裏から見ると金属の溶接部分がくっきりと見えて、なかなかメカニカルな風情なんですな。


このミュージアム内では屋内用の車椅子に乗り換えます。
2階に行くときには車椅子専用のエレベーターを利用するんですが、係の方々がうまく連携してくださって実にスムーズにストレスなく移動することができました。


この平等院は治承4 年(1180年)の以仁王の挙兵で敗れた源頼政が自刃した場所でもあります。
阿弥陀堂の北西にある最勝院内にお墓があります。

源頼政の墓

この事件で源平合戦の火蓋を切ったわけですね。


京都駅〜旅館

「特急券て何?」
という娘からのメールに口をあんぐりするシーンもありつつも、無事予定通り16時前に京都駅で娘と合流できました。
予約したのは99年に夫と泊まった綿善旅館。
http://www.watazen.com/
このご時勢からなのか最近は修学旅行も受けるらしく、建物の老朽化も目立つこともあり、キレイな部屋じゃなきゃイヤという方にはオススメできませんが、お値段の割に本格的な京料理がいただけるということで外国からのお客さんにも人気があるようです。


夕飯の時間までに少々時間があるので娘と二人で繁華街をぶらりと歩くことにしました。
いや、ぶらり・・・ではないですな。行きたいところはほぼ決まっているくせに。(てへ)


酢屋

河原町にある木工芸屋さん「酢屋」です。
海援隊の屯所だったということで2階にはギャラリー龍馬があるんですが、17:00までってことで間に合いませんでした。
前回行ったときも閉店後だったんですよね。
縁がないのかなぁ(´・ω・`)


鳩居堂
本能寺の近くにある鳩居堂
われらが熊谷直実さんの御子孫が始めたお店なんですよ。
元は薬種商だったのですが今はお香や書画用品、和紙工芸品等を扱ってます。
ここも18時で閉店でした。(´・ω・`)



池田屋跡
三条木屋町池田屋跡。
確か前に来たときはパチンコ屋だったけど、居酒屋になってました。
次の日にお世話になった観光タクシーのドライバーさんがおっしゃってましたが、この土地は不思議と何をやっても繁盛しないんだそうです。
この居酒屋はあえて池田屋の名前を出して、このジンクスにチャレンジしてるんですね。


そろそろ帰らんと夕飯に間に合わん、ってことで錦市場でも通って帰ろうか、なんて言ってて途中でどっちに向かってるのかわからなくなりまして。
「地図、私によこしなさいよ」
と娘に叱られ、誘導してもらって無事に宿に帰れました。(´∀`;)


1泊目は「京の会席と京のあさごはん」プラン。
バス・トイレ付の部屋で4名1室、1泊2食14,700円(税込み)


夕飯のメニュー
 食前酒 巨峰酒
 先附  青豆豆腐、海胆、花穂、美味出し
 八寸  旬の三種盛り
 向附  間八、本鮪、あしらい一式
 蓋物  南瓜海老そぼろ餡掛、生姜、実山葵
 焼き物 鱒新緑焼き、山吹きゃら煮
 台の物 黒毛和牛一口ステーキ、伏見唐辛子
 揚げ物 甘鯛唐揚げ、鱧鳴門巻、蓮根、アスパラ
 留椀  白玉団子、蓮芋、どんこ、露生姜
 水物  メロン、新丸十蜜煮


どうどす?お値段の割に豪華なメニューでっしゃろ?


夕飯後、今度は夫と娘と3人で繁華街へぶらり。
JCの京都会議で現役の頃は毎年来ていた夫は10年ぶりの京都の町を見て人が少なくなったと言ってましたが、全国から集まったJCマンがうじゃうじゃ湧いてる時期にしか来てないわけですから、これが本来の姿なのかもしれませんな。
しかしそれにしても10年前とは何かが違うような気は私もしていたのです。
先斗町あたり、前はもっと上品な印象があったんだけどなぁ。


高瀬川沿いに来ると胸が高鳴ります。
佐久間象山河上彦斎に斬られたところとか、本間精一郎が岡田以蔵に斬られたところとか、大村益次郎が斬られたところとか、土佐藩邸跡とか・・・。
当時の面影はみじんもなく石碑だけしかないけど、「あのあたりからこう通って龍馬は酢屋に入ったのかな」とか、たちまち幕末フィルターが稼動し始めます。


土佐稲荷
土佐藩邸近くの岬神社、通称土佐稲荷
坂本龍馬ゆかりの神社」なんて看板前はなかったと思ったけど。ブームだよねぇ。


2日目につづく。(多分)