幸村と土方と山本明

7月から読み始めた真田太平記ですが、いよいよ幸村が大阪入城しクライマックスを迎えようとしております。
どう見ても勝ち目のない戦であると見抜くだけの頭脳を持ちながら、敢て戦に身を投じる姿に、私は勝手に土方歳三のイメージをダブらせてしまいました。


死に際の潔さがカッコいい、などと言うと批判を受けましょうが、カッコいい人生をカッコいい死に方で締めくくるなんて、とてつもなくカッコいいって思うんですよね。
彼らに、後世の人間にカッコいいと思われたいなんて考えは微塵もないなんて言い切れると思います?
「新撰組副長、土方歳三!」
と名乗って斬り込んでいくとき、もしかしたらナルシスティックな恍惚感があったんじゃないか、なんて思ったりするんですよ。


で、思い出したのがこの方↓

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40代以上の方じゃないとピンと来ないかもしれませんけど。
宇宙戦艦ヤマトの艦載機隊のパイロット山本明さんです。
何かの申し込み書のサンプルにでも使われそうな、ものっすごい平凡な名前の方ではありますが、テレビ放映された当時密かに人気を博していたんですよ。
主人公の古代進をかばって被弾し、自ら敵の要塞に突っ込んで死ぬのです。
「山本ぉぉ〜!」と叫ぶ古代へこの敬礼。笑顔と共に。
当時10代の終わりごろだった私はこのシーンにときめいてしまいました。
妙なところで日本人であることを実感するものです。

真田太平記(十一)大坂夏の陣 (新潮文庫)

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