ならぬものはならぬ


紅白とジャニーズのカウントダウンで年を越し、正月は義妹一家がやってきて7合のご飯と数キロの牛肉が育ち盛りの5人の胃袋に無事収まり、受験生二人を抱えそれなりの緊張感はありつつも、例年通りの平和な年末年始でありました。


さすがにテレビを見る時間が少なくなっている娘だけど、6、7日に放送された「白虎隊」だけははずせなかったらしい。山Pと聖とJrの子が出てるんだもんね。


白虎隊、というか会津藩に関しては何度見ても読んでも心が凛とする。
くそマジメな徳川秀忠が生涯に一度だけしでかしてしまった過ちがルーツの会津松平家。(私の記憶が確かならば)
子々孫々にわたって徳川家への忠誠を誓うったって、まさか200年以上も忠実に守るなんて、くそまじめにも程があるってもんですよ。
しかも長い年月で純粋培養されて、当時の日本で会津だけに濃厚に残されていた忠誠心。
正しかったか間違っていたかなんて問題じゃなく、この限りなく透明な魂にとてつもなく心を揺さぶられるんですな。


今回見たドラマは母親の視点が強かった。
体の弱い自分に頼られては死ぬ覚悟ができないからと、わざとわが子に冷たくあたる母と、屈託無くわが子への愛情を表現する母。
白虎隊士の家族のナマの声などどの記録にもないんだろうけど、きっとこういう葛藤があったに違いないと思う。
浅野ゆう子演じる家老西郷頼母の妻が、甥の出陣に際し、その子の首があまりにも細いのを目の当たりにして涙を隠せなかったシーンは、母親ならば涙せずには見られないでしょうな。


自分以外の人のために生き、あるいは死ぬっていうことは、人間本来の正統的な生き方なのかもしれないな。なんて思ったりして。
そういえば、暮に娘が学校の宿題で書いた新年の誓いという作文を読んだら、自分のためだけではなく応援してくれる人のためにもがんばる、みたいなことが書いてあってちょっと驚いた。
山Pの熱演に涙する娘の後姿を見つつ、この子は少なくとも自分の大事な人はちゃんと愛せる人なんだと再確認した年明けなのでした。