小川洋子三昧
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ふぃー。一気に読んだ。
だいたい、「博士の愛した数式」から読み始めた人は、初期の作品を読むと「え、そんな人だったん?」て思うらしい。
私の場合「ミーナの行進」を読む前に中期の作品を何作品か読んでいたから、多少免疫(^^;)はあったけど。
「冷めない紅茶」と一緒に収録されている「ダイヴィング・プール」での、乳児に腐ったシュークリームを食べさせるシーンなんてのは、もし今の小川洋子さんが書いたとしたらかなりヒクと思う。
(「冷めない紅茶」は1989年の作品。ちなみに私は彼女と思い年)
文学的な感想云々より、こういった残酷さがまず気になってしまうってのは、やっぱり私がいろんな意味でオトナになってしまってるからかな。などと思ってみたり。
彼女の初期の作品には、ごく薄いガラス-プレパラートみたいなもの-を噛み砕いてしまったみたいな読後感がある。
ちょっとでも舌を動かすと口中が血まみれになってしまうような、繊細な残虐性、というか。
でも嫌いじゃないんだな。
むしろ病みつきになる。w
「冷めない紅茶」の中で、肉の中に徐々に入り込んで猛獣をじわじわと殺すという植物「ライオンゴロシ」について、美しいたたずまいで語るK君の彼女と小川さんがオーバーラップした。