兵学と朱子学・蘭学・国学
- 作者: 前田勉
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/03/14
- メディア: 単行本
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武士層が支配した江戸時代において、支配思想を支えていたのは兵学であった。
「将軍のご威光」の元、庶民は厳格な身分体制のタテ社会の中で、先代から引き継いだ職業によって人生を全うしていた。小市民は自己の存在意義なんて考える必要もなかったわけだ。
ところが、元禄期に貨幣経済が発達すると、氏素性に関係なくカネがすべての価値観の元になっていく。"勝ち組"はとことん合理性を追求し、"負け組み"は高尚な精神性をストイックに追求する。
"勝ち組"の理論が蘭学に、"負け組み"のルサンチマンから国学という流れを作り出しそれぞれ培養されていく。
儒教による精神論が支配した中国とかと違って、兵学という限りなく現実的な支配理論の中で、合理的な思考と応用力・柔軟性が日本人の精神の土台として育まれ、幕末に熟成された蘭学・朱子学・国学が、西洋の思想を驚くべきスムーズさで理解する礎となっていた。
…という。
うーん。なるほどねぇ。面白い。
すっかり前田先生のファンになってしまって、調子こいて「先哲叢談」まで買っちまいました。
よ、読みこなせるのか?
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