最悪

「空中ブランコ」が面白かったのでこれも借りてみた。
年齢も性別も境遇もまったく違う無関係な3人の男女が、逃れようも無い不幸に次々と見舞われ、ついに犯罪者として逃避行するはめになる、というストーリー。

この600ページ以上もある分厚い本の4分の1ほど読み進めたところで、実は私にも最悪の事態が起こってしまった。
実父が脳梗塞で倒れてしまったのだ。入院して2週間ほどになる今現在では麻痺した左足が少し動かせるようになり、普通の表情で、普通に会話できているが、倒れた直後は言ってる言葉が理解できないほどロレツが回らない状態で、片目があらぬ方向を向いていた。
私の40数年の人生で「最悪」と呼べる出来事の上位3位に間違いなく入る事だった。
そんな中で読んだので、本を正直放り出したくなくくらい気持ちがどんよりしてしまった。

でも、奥田英朗ならではのプチ笑いもあったり、ラストで3人の気持ちが彼らなりに整理がついたような終わり方だったので救われた気がする。