ララピポ


父の家でバルサンを焚いたので、3時間ほど時間をつぶさざるを得ず、本でも読んでようと立ち寄ったドーナツショップで遭遇したシーン。
ひっきりなしにしゃべる40代くらいの女性とその隣に座る30歳前後のおとなしそうな女性、向かい側にはいかにも不服そうな顔の、こちらも30歳前後の女性の3人組。
そのよくしゃべるおばちゃんは時折何かのテキストを音読しつつ、たまに隣のおとなしそうな女性に同意を求めながら必死で向かいの席の女性を説得している。
なにかの宗教の勧誘らしい。
何かを唱えるだけで、そのインチキ教を信じるだけで救われるんだそうな。
お釈迦様が云々というフレーズが聞こえたが、ずいぶんと貧相にアレンジされて仏教の開祖もさぞ嘆いてんだろね。


会話の全部が聞き取れなかったが、お茶を飲むだけだからと誘われたのにこんな話をされるのは迷惑だ、みたいな抗議をしていた。
どういう経緯でこの場に来たのか知らんけど、見るからに胡散臭いおばちゃんたちにホイホイついて来た方もどうかしてんじゃないか?


で、かけだしオススメの「ララピポ」に出てくる負け組み達を思い出したわけだ。
こんな田舎町にもいろんな人がいるもんだよ。
ララピポだね。


一流大学を卒業したものの対人恐怖症で引きこもり、アパートの階上の住人の情事を盗聴することを生きがいにするフリーライターとか、デブ専裏DVDで荒稼ぎするテープリライターとか、6人の「選りすぐりの負け犬たち」の壮絶な転落人生。
もう笑うしかないでしょ的な吹っ切れ方が素晴らしい。
社会に警鐘を鳴らす、みたいな説教臭さがなくていい。
さすが奥田英朗だなと思う。

でもねぇ、かけだし。
この本読むのにコソコソしちゃったじゃん。
だって表紙からあれだもん。(笑)

ララピポ

ララピポ