阿弥陀堂だより
- 作者: 南木佳士
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義母がWOWOWで見ていた映画を何気に見始めて、気付いたら家事をほったらかして最後まで見ていた。
黒澤明遺稿脚本の映画「雨あがる」で初監督でありながら日本アカデミー賞で数々の部門で優秀賞を受賞した小泉堯史の2作目のこの映画。
南木佳士原作にしてはきれい過ぎるというか、なんかウソっぽいなと感じつつも信州の自然の美しさ、おうめ婆さんを演じる北林谷栄の圧倒的な存在感に心を揺さぶられた。
「博士の愛した数式」の方が小泉堯史っぽいのかも、と思う。
見るのが楽しみ。
確かこの原作を買っていたことを思い出し、映画を見終わった直後に本棚を探して読んだ。
私が映画を見ていて一番違和感を感じた子供たちが"夕焼け小焼け"を合唱するシーンは原作にはなかった。
「やっぱりな」という感じ。
老人ばかりが暮らす過疎の村の侘しさとか厳しさは、小泉監督には確かに似つかわしくない。映画はあれで正解だったな、と思う。
売れない作家である主人公の視点は生々しいくらいリアルなんだけど、登場する女性達はみな聡明でたくましすぎて、なぜかリアリティを感じないのは私が女であるからなんだろうか。
とはいっても、96歳になっても衰えないおうめ婆さんの感性と謙虚なたたずまいには激しく憧れる。