儒教とは何か

儒教とは何か

中公新書
著者: 加地伸行 出版社:中央公論新社
発行年月: 1990年 10月
本体価格:720円 (税込:756円)



多少感情的に書かれている部分もあるが、中国思想史の入門書としてはおすすめかも。


孔子によって理論化された儒教が、中央主権国家の誕生とともに変化していく様子が詳しく解説される。
科挙の試験科目になり、宗教性が薄れ、政治思想、哲学へと変化、やがて礼儀や道徳を重んじる倫理道徳というイメージを我々に抱かせるものへとなった。


しかし儒教は、著者が定義する「死ならびに死後の説明者」であるところの「宗教」であるという。
普段、我々日本人が接している一般的な葬礼に関する儀式等は、仏教に基づくものだと思っているが、大部分が儒教からきているというのは、ちょっと目からウロコ。